訪問団体:釧路東高等学校
研修目的:大槌町視察と避難所運営についてのヒアリング
研修内容:語り部ガイド、ヒアリング、ワークショップ
研修時間:1日
釧路東高校は、緊急時の避難所として指定されています。そのため、在学中の高校生・先生が一緒に、指定避難所としてどのような知識や意識を持っておくべきなのかを考えているそうです。そこで、生徒会役員の生徒と先生が、大槌町や実際に避難所となった大槌高校を視察に来ました。
今年一番の暑さのなか、まずは当時の話や、復興の現状、そして町民の思いをフィールドワークを通して感じてもらいます。その後は、「在宅避難」をした女性からの話。避難所というと、どうしても実際にそこに避難している人達を想定しがちですが、東日本大震災でも沢山の人が在宅避難をしていました。そこで見えて来た、避難所にいる被災者と在宅避難の人達の間にある溝や課題について、率直に話してもらいました。避難所は、当然「物資が集まる場所」にもなり、それをどう在宅避難の人達に振り分けるのか、振り分けないのか。そんな事が出来るのか、出来ないのか。「公平に配る」とはどういう事なのか。釧路東高校の生徒たちにとって、今まであまりなかった視点のようでみな食い入るように話を聞いていました。
午後からは大槌高校生と交流をし、その後、おらがでワークショップ。避難所で実際にあった問題や課題をもとに、実際に避難していた大槌高校生と在宅避難をした若者も交えて話し合いをし、「避難所運営者」として、課題に対して決断をしていく過程を体感してもらいました。企業向けのワークショップでも同じですが、私たちが大切にしているのは「決断すること」。今まで、「話し合い」は経験している釧路東高校の生徒たちでしたが、その話し合いをもとに「決断する」というプロセスは初めてのようで、皆苦労しつつ、それでも「避難所運営」には「決断」する覚悟が必要だとはっきりと認識できたようです。また、参加した大槌町の参加者は、普段とは違った視点からの意見に沢山の刺激を貰っていました。被災したからといって全てを知っている訳でもなく、被災していないからこその柔軟な視点もある。そんな当たり前のことに、気づかされたワークショップだったようです。
今回の経験をふまえ、釧路東高校の生徒会は学校でワークショップを開いていきたいと言っています。今後、どのような展開があるか、期待しています!